スパイダーマン:ホームカミング感想

鑑賞後に気分が良くなるくらい、とても良質なアメコミヒーロー映画でした。

以下ネタバレを含みます。

 今回のスパイダーマンは、本来の「等身大のティーンエイジャーとしてのスパイダーマンを題材としたエンターテインメント映画」というような感じでした。

導入がシビル・ウォー/キャプテン・アメリカでスパイダーマンがアイアンマンチームに合流するまでの描写をピーター・パーカーの自撮りスタイルで振り返るところから始まり、ハイスクールでの生活や悩みの描写など、ほぼ一貫してスパイダーマン目線でのストーリーとなっています。

今回の敵となるヴァルチャーがヴィランとなる過程に現代アメリカの抱える課題を匂わせるところもありましたが、そこはあまり掘り下げず、主眼を置いているあくまでスパイダーマンが成長し、アベンジャーズに正式加入するまでの過程でしたが、その中でもヴァルチャーとの最終対決は特に良かったと思います。

とある理由でトニー・スタークから与えられたスパイダーマンのスーツを失ったピーターが、自前の布製スーツでヴァルチャーと戦い、ある形で決着を付けるのですが、まだ半人前だから、という理由でアベンジャーズは加入が認められないスパイダーマンが、周囲の力を借りつつ、しっかりと自分の力で成長していってアベンジャーズ入りが認められる過程を象徴しているように感じました。

若者向けのエンターテインメント映画として、とても良くまとまっている作品だと思います。

 

また、事前にあまり情報を入れずに見に行ったのですが、今回のヒロインとなるリズ、サブヒロインのミシェル(MJ)、サイドキックとなるネッドといった、ピーター・パーカー主要なクラスメイトは全員非白人だったことには驚かされました。

昨今の流れに沿った配役ですし、スパイダーマンはニューヨークを拠点とするヒーローという点で現代的なリアリティもあり、そもそもコミックでの2代目スパイダーマンはアフリカ系アメリカ人だったりするのですけど、大資本が動く映画で結構思い切ったことをするな、と驚いてしまいました。

 

最後に、スパイダーマンをマーベル・シネマティック・ユニバースに加入させる決断をしたソニー・ピクチャーズに感謝したいと思います。

サム・ライミ版やアメイジング・スパイダーマンも悪くはなかったですが、単独のヒーロー映画としてスパイダーマンのキャラクター作りをしなければなりませんから、コミック版のスパイダーマンからは少し離れたキャラクターになってしまっていたと思いますが、マーベル・シネマティック・ユニバースにスパイダーマンを加入させたことでヒーローの王道のキャラクター性はキャプテン・アメリカやアイアンマンに任せて、本来の戦闘中にも軽口を叩くコミック版にとても近いスパイダーマンを映画で楽しむことが出来たのではないかなと思います。

米国での興行収入は好調なようですから、20世紀フォックスも映画化権を持っている作品をマーベル・シネマティック・ユニバースに加入させても良いんじゃないんですかね。

 

以下気になった点。

  • マーベルのロゴが出るイントロのTV版スパイダーマンのテーマのアレンジが良かった。
  • MJが登場するが、メリー・ジェーン・ワトソンではなく、ミシェル・ジョーンズ。